2020年1月12日

オーガニックコットンとは

fluffy flowerでは、オーガニックコットン100%のタオル生地をメインに作品づくりをしています。そもそもオーガニックコットンとはなんだろう? なんとなく体にやさしいイメージはあるけれど・・・と、詳しくご存知ない方もいらっしゃると思います。そんなあなたへ、オーガニックコットンについてぜひ知っていただきたいので、ご紹介しましょう。


オーガニックコットンは、収穫される原綿そのものには通常の一般的なコットンと違いはありません。ただし、原綿栽培から製品販売までの過程のなかで、通常のコットンとは異なる特長があります。

農薬や化学肥料を3年以上使用していない畑でつくること

通常のコットン栽培では、種を撒く前に化学肥料、防カビ剤を散布して、雑草が生えてくると除草剤、害虫がつくと殺虫剤、そして、一斉に機械で収穫しやすいように落葉剤……と、様々な工程において、大量の農薬や化学肥料が使われています。
そのなかでも特に、殺虫剤の使用量が非常に多く、綿畑は世界の耕地面積のうち2.5%しかないにもかかわらず、殺虫剤は世界の約16%、農薬全体の7%が撒かれています。
そうすることで、その土地の環境とコットン栽培農家の健康が劣悪になり、甚大な被害を及ぼしているのです。そんな被害から救い出すため、農薬や化学肥料の使用をやめ、有機農法でコットン栽培をしています。


化学薬品を使わず、有機肥料を使ってコットン栽培すること

化学薬品を使わない分、自然と人の力だけでじっくりと時間をかけて、コットン栽培をしています。牛糞を主とした有機肥料でつくったやわらかくて栄養たっぷりの土に、遺伝子組替えをしていない種に限定して植え、害虫は益虫であるてんとう虫が食べます。落葉剤を使わず、霜によって自然に葉が落ちるのを待ってから、ひとつひとつ手摘みで収穫します。手間暇は掛かりますが、畑にもコットン栽培農家にもやさしい栽培方法です。


児童労働をさせない、人権を守った労働環境であること

通常のコットン栽培は、児童労働も深刻な問題となっています。大人よりも子どものほうが体力もあり、低賃金で雇用できるため、インドや中国などの発展途上国を中心に、早ければ5歳からの子どもが労働力となっているのです。児童労働を強いられている子どもの多くは学校にも通えておらず、毎日休みなく、過酷な炎天下、農薬による命の危険と常に隣り合わせで何時間も働き続けています。一方、オーガニックコットン栽培は、人権を守った労働環境を重視して、大人が適正な収入を得られるようにすることで、子どもが不当な労働をする必要性をなくし、児童労働抑止に努めています。


☆よろしければ、世界で有数なコットン生産国であるインドで、児童労働を強いられている子どもたちを守り、教育を支援する「コットン募金」へのご協力をお願いします。

児童労働についてもっと詳しく知りたい方はこちら
世界の子どもを児童労働から守る NGO ACE





フェアトレードによって、コットン栽培農家の暮らしを守る

通常のコットン栽培をしている農家は、毎日長時間働いて、コットンが収穫できても、搾取と言われるほど得られる収入がごくわずかなことから、収支の面でも生活を困窮させています。一方、オーガニックコットン栽培では、フェアトレードと言って、公正な価格でコットンを取引することで、農家は適正な収入が得られるようになり、家族の生活を支え、子どもたちを学校へ通わせることができるようになって……と、農家とその家族の暮らしを支える重要な役割を担っています。

フェアトレードについてもっと詳しく知りたい方はこちら
NPO法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン
https://www.fairtrade-jp.org/

肌触りがやさしく、コットンありのままの色

コットンを生地にする工程でも同様に、化学薬品を使っていないので、コットンそのものが持つ天然の油分を適度に含み、弾力があり、ふんわりとした風合いで、やさしい肌触りです。塩素系漂白剤も使っていないので、自然のコットンありのままの生成色がお肌になじみます。また、生地に小さな黒い斑点が付着している場合がありますが、これは、コットンの葉や茎が残ったもので、オーガニックコットンならではの個性です。

トレーサビリティがはっきりとしていること

トレーサビリティとは、生産から消費までの過程が追跡可能であることを指します。
通常、コットンが栽培されて生地になり、製品化して販売され、私たちのもとに届くまでの間に、化学薬品が使われたり、過酷な労働環境によって人々が搾取されていたりする現状にありますが、企業の多くはその全容を把握できておらず不透明です。一方、オーガニックコットンではトレーサビリティがはっきりとしていて、認証機関の専門検査員が農場を訪問し、継続して基準どおりに管理しているかを確かめます。そのため、調べれば、いつ、どこで、誰が、何を、どのようにしてオーガニックコットンに関わってきたかが分かる状態になっています。

地球環境にもやさしい

大量の化学肥料や農薬によるコットン栽培は、地球全体の環境にも甚大な被害をもたらしています。土壌から溶け出た農薬は水資源を汚染し、生態系を破壊します。そのうえ、害虫が農薬への耐性を持つので、使用量が年々増え、さらに強い農薬が必要になり、土壌微生物が消滅し、土地はやせていくという悪循環が起きています。ところが、農薬で汚染されていないオーガニックコットン栽培ならば、綿花が成長するときに光合成によって空気中の二酸化炭素を吸収するため、地球温暖化防止に貢献、また、土壌微生物が活性化することにより、土壌の劣化や枯渇を抑えるなど、地球にやさしい作用をもたらすことができるのです。


SDGsに貢献できる

ここまでお読みいただき、オーガニックコットンの活動が、2030年までに達成するべき持続可能な開発目標「SDGs」が掲げる課題の解決につながる活動であることにお気づきでしょうか?
農薬や化学肥料を使わない有機肥料によるコットン栽培は農家の健康と暮らしを守り、地球環境改善にまつわる目標に当てはまりますし、児童労働をさせない、人権を守った労働環境を重視し、フェアトレードによる適正価格で取引することは、貧困や飢餓、人や国の不平等をなくし、質の高い教育を誰しもが受けられ、働きがいも得られるという目標につながっていきます。
今後も、SDGsをはじめ、私たちがエシカルな社会に貢献できる情報を当ブログの記事で紹介していければなと思います。情報をシェアするだけでも、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまり、SDGsに貢献できます。

SDGsについてもっと詳しく知りたい方はこちら
公益財団法人 日本ユニセフ協会
〈SDGs17の目標〉https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/

人にやさしく、地球全体にやさしい未来への一票になる

オーガニックコットンは、作る人たちにとっても、使う人たちにとっても、地球にとってもやさしく、その輪をひとつに繋いでいます。しかし、世界のコットン総生産量のうち、オーガニックコットンの割合は2020年時点で1%ほどなのが現状です。しかし、2016年にこの比率が0.5%だったことを考えると、着実にその数を増やしています。オーガニックコットンを選択することは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にも当てはまり、私たち人に、そして、地球全体にやさしい未来への一票を投じることでもあるのです。
ぜひともあなたの日々の暮らしのなかに、オーガニックコットンを取り入れてみませんか?


fluffy flowerではすべて、厳選されたオーガニックコットンにこだわりを持つ、PRISTINEの生地を使わせていただいています。メイド・イン・ジャパンならではの安心安全や、やわらかな風合いはもちろんのこと、オーガニックコットンを通じて、人権や地球環境を守る活動を徹底されていて、今後ともぜひ応援させていただきたいブランドです。

https://www.pristine-official.jp



頬ずりしても安心なfluffy flowerのものづくりをめざして


fluffy flowerでは、オーガニックコットンなのは生地だけに限らず、縫製のミシン糸、手刺繍の糸やリボンに至るまで、生地にまつわるお肌に直接触れるすべてをオーガニックコットンにこだわって作っています。それには手間もコストも掛かりますが、すべては、もし赤ちゃんが頬ずりしても、口にくわえても安心なものづくりを目指しているからです。オーガニックコットンは、長く使えば使うほどやわらかくなって自分だけのものになっていきます。ですので、fluffy flowerの作品を気軽に持ち出して、末永く愛していただけると幸いです。



<参考文献>
NPO法人 NOC 日本オーガニックコットン流通機構
「オーガニックコットンについて」<オーガニックコットン について | NOC 日本オーガニックコットン流通機構 (noc-cotton.org)>(参照日2022年7月19日)

「フェアトレードとは」<https://noc-cotton.org/certification-fairtrade>(参照日2022年7月19日)
NPO法人 日本オーガニックコットン協会(JOCA)
「オーガニックコットンとは」<オーガニックコットンについて - 日本オーガニックコットン協会 (joca.gr.jp)>(参照日2022年7月19日)
NPO法人 日本オーガニックコットン協会(JOCA)
「どうしてオーガニックコットン!?」<どうしてオーガニックコットン!? - 日本オーガニックコットン協会 (joca.gr.jp)>(参照日2022年7月19日)
NPO法人 ACE「「コットンのやさしい気持ち」プロジェクト」
<http://acejapan.org/cotton>(参照日2022年7月19日)
PRISTINE「オーガニックコットンとは?」
<https://www.pristine.jp/shop/pages/organic_cotton.aspx>(参照日2022年7月19日)
PRISTINE「プリスティンとオーガニックコットン」
<https://www.pristine-official.jp/organic_cotton>(参照日2022年7月19日)
PRISTINE「国産綿の現状は?自給率0%の綿を復興させる取り組みとは?」
<https://www.pristine-official.jp/journal/how_to/detail/92#>(参照日2022年7月19日)
People Tree「フェアトレード、さらにオーガニック」
<https://www.peopletree.co.jp/organiccotton/index.html>(参照日2022年7月19日)
・宮崎道男(2010)『オーガニックコットン物語』コモンズ,pp.17-39
・末吉里花(2016)『はじめてのエシカル』山川出版社,pp.32-35
・サフィア・ミニー(2012)NAKED FASHION』サンクチュアリ出版,pp.20-23